後輩のTと、いつものようにアゲハにお邪魔した。
席につくなり、俺が長イモとろろを頼むとTは
「またですか?先輩、アゲハ来るとそればっかりですね」
と呆れたように言った。
俺は粘り物が好きだ。
納豆やオクラなど、あのネバ~っとした感じがいかにも栄養がつきそうで、食べながら、体の中から元気が漲ってくる。
中でもお気に入りは長イモ。
アゲハで出してくれる長イモとろろは、ダシの伸ばし方が絶妙で、つるつる~っと入る。
長イモは、少な目に箸でつかみ、くるくると丸めるようにし、それをそのまま口へ。
こうすれば、口の周りに長イモがつく事はない。
美味い!
「あ~、口の周りが痒い!」なんて言う奴は素人。
ごはんの上に少しかけて、同じように少し丸めて食べる。
こっちも美味い!
喉をつる~っと落ちていく感じが溜まらない。
「気力が漲ってきた気がする。今夜は何戦でもいけるぞ~~!」
「いつも元気ですね」
後輩のTは、俺より5歳くらい下だが、最近少しアッチ方面が元気ないという。
「お前も長イモ食えよ、こうなるから」
長イモ、美味いだけでなく、滋養強壮にバッチリ!山のうなぎと呼ばれているくらいだ。そして、ミネラルやビタミンが豊富な含まれている。消化酵素のアミラーゼやムチンなど消化に良い成分もたくさん。食べ過ぎ飲み過ぎを助けてくれる。
つまり、アゲハに来た時にピッタリの料理という訳だ!
ちなみに、世界でも生で食べられるイモというのは、長イモや兄弟分の山イモくらいらしい。消化酵素であるジアスターゼがでんぷんの一部を分解してくれるので、生で食べても胃にもたれないのだ。珍しく、且つ優秀なイモ類なのだ!
アゲハに来たら、長イモとろろ、これが間違いない料理の選択だ。