最近、落ち込み気味です。会社内でのタイ人とのコミュニケーションがうまく行っていません。言ったことをちゃんと聞かないし、トラブルがあっても報告しないし、バレたら言い訳ばかりするし、あげく、こちらの事をコソコソと陰口言っているようだし…。
アゲハに来て楽しく過ごす以外、楽しみがありませんが、そんな時でも、どうしても仕事の事が頭から離れません。
「Kくん(僕の事です)、表情暗いね?どうかしたの?」と、アゲハ仲間のMさんが声をかけてくれました。
5歳ほど上のMさんは、僕のタイでの兄貴的存在です。遊ぶ時はぱ~っと派手に楽しく、こうやって悩んでいる時は親身になってアドバイスをしてくれます。
僕が最近の悩みを打ち明けると、Mさんはテーブルに置いてあったおひたしを指差しました。
「これだよ、これ」
「おひたしですか?」
「Kくん、仕事の『ほうれんそう』って知ってるよね」
「ええ、報告・連絡・相談ですよね」
「『おひたし』っていうのがあるんだよ。怒らない・否定しない・助ける・指示するの略だけど、これ、タイで仕事する上ですごく大切だと思うんだよ」
確かに、僕は『おひたし』の逆の事ばかりしていた感じがします。
「アゲハ見てご覧よ、女の子もボーイもみんな気が利くだろう。タイ人相手でも教育次第で何とかなるんだよ」
Mさんの有難いアドバイスを聞きながら、おひたしに手を伸ばします。
本来、単純な料理ですが、これもアゲハでは手が込んでいます。
ほうれんそうは丁寧に切りそろえられ、抜群の茹でかげんで、一茎一茎が存在感を残しています。
新鮮なので、茹でた物をそのまま食べても甘みがあるのですが、ダシ汁とかつお節と一緒に食べればより美味しさが増します。
美味い料理、笑顔の女の子たち、そして気配り上手なスタッフたち。人を扱うのが難しいタイでも、これだけのクオリティを保っているアゲハを見習って、僕も会社のタイ人たちと接する方法を変えて行きたいと思います。