かつ丼ほど、単純だけど、奥が深い食べ物ってないんじゃないか？と、よく思う。
基本は丼に入れた白米に、かつをのせただけ。しかし、それに卵を溶いたり、ネギや玉ねぎを入れたり具材様々。その上、和風のだしをかけたり、ソースを使ったり、味付けも色々だ。
美味い、安い、早いと三拍子揃ったサラリーマンの味方でもある。
仕事柄、日本国内あちらこちらに行くので、かつ丼が美味いと評判の店はほとんどと言って良い程チェックしている。
それぞれに良さがあるが、いつも「俺の理想のかつ丼とは少し違う」と感じていた。
今回、タイに出張で来たので、バンコクの夜のザ・定番と名高いアゲハに足を運んだのだが、メニューに見つけてしまったのだ！かつ丼の文字を！
これは頼まずにはいられまい・・・。
「飲みに来ていて、最初からかつ丼を食うか？」という同僚の視線を無視し、俺はかつ丼を注文。
泥酔したり、他の料理を食べたりした後ではなく、真剣にかつ丼と向き合いたかったのだ。
待つこと、約１０分、かつ丼が運ばれてきた。
まず、この時間で「信頼」できた。
作り置きのかつを使う店なら、もっと早くでてくるかもしれない、しかし、ちゃんと揚げてからなら、このくらいの時間は必要だ。
美味しそうな湯気をかぐ。
この、ホカホカ飯とかつの油、タレが混じったモワ～っという匂いが堪らないのだ。
早速、丼を手につかむ、まずはかつだけでパクリ。
これは期待した通りの美味さだ！厚みがありながら柔らかい豚肉、そして、衣も程よい揚げ具合だ。カリカリし過ぎず、べた～っとし過ぎていない。
では、次はご飯を一緒にかき込むとしよう。
むふふ、これはこれは！
かつ、あったかい飯、良い塩梅に火が通った卵の一体感！加えて、シャキシャキの玉ねぎとピーマン。
俺の理想のかつ丼を見つけたぞ！最高じゃないか！これは止まらんぞ！
結構な量があるかつ丼だが、一気に食べてしまった…。
こんな場所、というと失礼だが、カラオケ屋でこんなに美味いかつ丼に出逢えるとは！それも日本から遠く離れたタイで！
食欲でパワーと気力充実させた後は、勿論、性欲の方を満足させた。
俺の理想のかつ丼を出す店、必ずタイに舞い戻って来るぞ！